昨年大会のようす
- Lastyear's Report
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白井 床で2連覇
 種目別で競う豊田国際体操競技大会(中日新聞社など主催)は10日、愛知県豊田市総合体育館(スカイホール豊田)で男子3種目、女子2種目を行い、男子床運動は白井健三(日体大)が16・375点をマークし、2年連続3度目の優勝を果たした。
 リオデジャネイロ五輪の団体総合金メダルに貢献した20歳の白井は、昨年のこの大会で新技認定を受けた「シライ3(後方伸身2回宙返り3回ひねり)」を披露した。
 男子つり輪は神本雄也(日体大)が初優勝し、あん馬はロンドン五輪種目別金メダリストのクリスティアン・ベルキ(ハンガリー)が制した。
 女子の跳馬はセダ・トゥトハラン、段違い平行棒はアンジェリーナ・メルニコワとともにロシア勢が勝ち、リオ五輪団体総合銀メダルの実力を示した。
寺本 大きな拍手に笑顔
 右足かかとのけがを押して出場し、3位の寺本明日香(レジックスポーツ、中京大)は終末技を行わず、バーから手を離してすとんと着地。それでも観客席から大きな拍手が送られ、にこやかな表情を見せた。
 11月上旬の練習で負傷。今も走ったり跳びはねたりできず、本来は欠場する予定だった。1週間前に豊田市を訪れた際に、子どもから声援をもらい、「今できる技を披露したい」と気持ちが動いた。「温かい応援で、演技やって良かったなと」と話した。
欠場 内村があいさつ
 リオデジャネイロ五輪の男子個人総合で連覇を果たした内村航平は腰痛などのため欠場したが、会場でファンにあいさつした。前回の豊田国際で「リオの金メダルを持って帰る」と誓い、「約束通り皆さんに金メダルを見せられて満足している」と話した。
 2020年東京五輪は「自分が生まれた国でやる五輪ということで、ものすごく注目される」と話したが、「そんなプレッシャーをはねのけるくらい強い選手がそろっているので、期待してほしい。団体と個人総合は日本が勝ち続けたい」と力を込めた。
「シライ3」で新境地
 ほかの選手とは明らかに違う声援を正面から受け止め、力に変えてみせた。東京五輪のエースと目される白井。期待を一身に受ける20歳は「自分が満足するだけじゃなく、お客さんに見せる体操をしよう」と新しい境地で床運動に臨み、言葉通りの演技で観衆を魅了した。
 この秋はイベント出演などが重なり、「十分に練習が積めていない状況だった」というが、昨年のこの大会でラインオーバーしたH難度の「シライ3」を手堅く成功させた。完成度が低く、リオでは封印した大技を決め、Dスコア(演技価値点)は自己最高タイの7・7点。ハイレベルの演技構成を難なくこなし、連覇を果たした。
 「シライ3」の完成に力を注いだように、これまでの数年間はひた向きに難度を追求し、自分との戦いに没頭してきた。五輪後はショーの要素が強いエキシビションの出演も重ね、「見せる体操が分かってきた」と話す。
 「人からどう見られているのか。人から見てどんな技がうまく見えるのか」。あえて観衆の目を意識し、技の美しさや力強さに磨きをかける。そこに、Eスコア(実施点)で世界を圧倒してきた内村航平に近づく道筋を見いだした。
 19歳でリオ五輪の男子団体総合の金メダルに貢献。地元で開催される東京五輪に向け、期待はさらに高まっていく。「結果だけでなく、お客さんが感動できる演技をしたい」。注目されることが、さらにステップを上げる原動力になる。
神本 つり輪初V、萱 あん馬2位 リオ補欠組が躍動
 リオの地で団体金メダルに輝いた体操男子チームを、補欠として観客席から眺めた二人がそろって活躍した。神本(日体大)がつり輪で優勝すれば、萱和磨(順大)はあん馬で2位。東京五輪の主役の座に名乗りを上げた。
 神本はほぼノーミスの演技。筋力が求められる静止技をしっかり決めると、終末技の新月面(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)の着地もぴたりと止めた。
 演技者ではなく、裏方として見つめた金メダル。「うれしいことだし誇りに思うけど、やっぱり悔しいという思いが一番だった」。五輪後、意欲が出ないときでも、リオでの悔しさが頭をよぎると、自然と上を向くことができた。「あの経験があったから、ぼくはもっと強くなれる」と断言する。
 ずっと目標にしてきたつり輪の第一人者、山室光史(コナミスポーツ)に初めて勝った。「来年からは代表入りを続け、東京五輪は堅いと思われる選手になりたい」。言葉からは自信ものぞいた。
 あん馬のスペシャリストと期待されながら代表入りを逃した萱も躍動。Dスコア7・0点という出場選手中、最も難しい演技構成を、手堅くまとめた。
 ジュニア時代からともに戦ってきた白井、神本の優勝にも刺激を受けたといい、「僕たちの世代が今度は日本を引っ張っていくようにしないと」と力を込めた。

(左)床運動で「シライ3」を成功させる白井健三
(中)段違い平行棒で3位の寺本明日香
(右)つり輪で優勝した神本雄也
  =豊田市総合体育館で
■中日新聞(2016年12月11日朝刊)
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